昨晩「黒革の手帳」を読破しました。お陰で予定外の寝不足となりました・・。がしかし、松本清張に開眼しました。
読書は基本的にあまりせず、唯一、星新一が好き(短編だし、絵本のような感覚で人の裏の心理を描いた感じが好き)な私ですが、「黒革の手帳」はドラマのダイジェスト版を見てちょっと読んでみたくなったのです。
この先、物語に触れますので、これから読もうと思っている方は進まないでくださいね。
ダイジェスト版で大体の登場人物は把握していました。しかし原作の登場人物の方がずっと濃いし、アクも強い。本当に松本清張は男性か?と思うほど、元子をはじめ、女性の心理描写が鋭いですよね〜。
また裏の世界を研究し尽くしているんですね。ビックリしました。
前半の4分の3程は、銀行から横領した資金を元手に、元子の計算された駆け引きと華やかな成功が描かれ、後半に近づくにつれ、だんだん不穏な影がチラホラと現れ始め、最後のわずか4分の1程で「一人操り人形」であった元子の栄華が一気に崩れ去る、という曇天返しに圧倒されました。
その最後の天から地へ一気に転げ落ちる元子の展開が、スピーディーで、綿密で、濃厚で・・。一気に目が覚めてしまいました。松本清張って、スゴイんですね・・。
本当に恥ずかしいくらい本を読まないのですが、これからはもう少し、本の世界に陶酔してみようかな〜と思いました。楽しかったです♪